2022年9月8日(木):例会

「日本」の由来―万葉1300年、明治維新150年―

國學院大學 教授〔特別専任〕 上野 誠(うえの まこと) 様

『「日本」の由来』と題して、國學院大學教授 上野誠先生からご講演を頂きました。

「日本」の由来について…日の出る…と云う中国語から、東アジアの一員として「漢字」「儒教」「律令」「仏教」を軸として形成され、中国の則天武后が「日本」承認し、中華文明圏のなかで、
・何波に渡る日本列島への人々の移住
・今来伎人(いまきのて人)技術者の重要性と多様性
・文書、雅楽、正倉院、仏教、禅など
・改良・改善の国
・縁を大事にする「日本」
等々…あっという間のお話でしたが、少し立ち止まり「日本」を改めて知る時間になりました。

古くから日本は中国の中華思想に影響されて参りました。日本は島国であるにも関わらず、他国の文化思想から刺激を受けており、創始の国ではなく、他国から取り入れたモノを改良・改善してきた国と言えます。
古文書が多く残る社会であり、社会変革は変革ではなく復古の形をとる社会でもあります。共に働く人がつくるネットワークを重視し(血より縁)、不知を嫌い、突出を許さないというご指摘を頂きました。
このご指摘は、良い面であると同時に、経済成長率が停滞し、国際競争力の低下が著しい今の日本が抱える課題でもあると感じました。
古代日本の歴史・文化を紐解きながら現在の日本が抱える問題点を読み解くという、大変興味深いご講演をありがとうございました。
またの機会を楽しみにしております。